年齢を重ねるとどうしても気になるのが薄毛の問題。
そういう私も悩みを抱える一人ですが…。
いつからだろう…どうして薄毛になってしまったんだろう。
少しづつ前髪が後退し始め、頭頂部も地肌が見えるようになってきた…。
こんな悩み、ありますよね。
だけど、実際どう対処したらいいかよく分からないし、お金もかかりそうだなぁ。
じいちゃんもハゲてたから遺伝なんだよなぁ。
そんなあなた、あきらめないでください。
まだ間に合うかもしれません!
今回はこの薄毛の原因を突き止めていきたいと思います。 まずは「敵を知ること」から始めましょう。
健康な髪の毛(毛髪)とは
ツヤがあって美しく、健康な髪の毛は女性だけでなく男性にとっても大切です。
男性のほうが、ハゲてしまっている人の割合が多いと思いませんか?
これにも理由があるんです。
まずは髪の毛(毛髪)と頭皮のしくみから見ていくこととしましょう。
髪の毛(毛髪)と頭皮のしくみ
髪の毛(毛髪)は、毛とそれを包みこんでいる毛包から成り立っています。
髪の毛を構成する主成分はケラチンというタンパク質です。
このケラチンタンパク質には「シスチン」というアミノ酸が多く含まれています。
髪の毛は毛細血管を通して運ばれてくるこのタンパク質(アミノ酸)などの栄養分や酸素を毛乳頭が受けとり、その周りの毛母細胞が細胞分裂することにより成長していきます。
つまり髪を育てるのにはシスチンというアミノ酸が必要だということです。
また、乾いているようにみえる髪の毛ですが、内部には水分もあります。
肌と同じようにNMF(天然保湿因子)が水分量を一定に保つ役割を担っています。
図
ヘアサイクルと脱毛
髪の毛には毛周期(ヘアサイクル)とよばれる一定の周期があり、生え変り続けています。
人の髪の毛は10万本あるといわれ、そのうちの80~100本位が1日に抜けるともいわれています。
そしてまた新しい髪の毛が生えてきます。
この周期を毛周期(ヘアサイクル)といい、大きく分けて「成長期」「退行期」「休止期」に分けられます。
【成長期】
成長期は毛母細胞において細胞分裂が始まり、髪の毛が育っていく時期です。
個人差はありますが2~6年といわれています。
【退行期】
退行期は細胞分裂が少なくなり、徐々に成長が止まる時期です。
この間およそ2~3週間。
【休止期】
休止期になると毛母細胞の働きがストップし、古くなった髪の毛が抜けていきます。
この間はおよそ2~3ヶ月です。
なんらかの影響や環境が原因でこのヘアサイクルが乱れると、成長期の髪の毛が一定期間に満たないまま成長を止めてしまい、退行期→休止期に至り、脱毛する毛が増えてしまうのです。
これが薄毛または抜け毛のしくみです。
ならば、このヘアサイクルを乱さないようにする、あるいは正常化することが薄毛対策になるのではないでしょうか。
薄毛の原因とは?
それでは、薄毛になってしまう原因を探っていきましょう。
原因が分れば、対策もできるというわけです。
AGA(男性型脱毛症)
男性の薄毛の理由のほとんどはAGA(男性型脱毛症)だといわれています。
AGAとは「Andro Genetic Alopecia」の略称で、進行性の脱毛症になります。
とくに額の生え際から頭頂部にかけて少しずつ細く柔らかい毛が増えて、頭皮が硬くなり、最終的には脱毛してしまう症状のことです。
ヘアサイクルが正常な状態であれば、個人差はありますが、髪の毛は2~6年位をかけて太く長く成長していきます。
ところが、AGA(男性型脱毛症)の場合には、その成長期が約1ヶ月ほどしかなく、太く長く育つ前に退行期を迎えるようになってしまいます。
結果として、全体的に長い毛が減り、ボリュームのない状態になってしまうわけです。
簡単にいうと、成長する前に抜けてしまうということなんですよね。
男性ホルモン
薄毛の主な原因とされているのが男性ホルモンの影響によるもの。
男性ホルモン(テストステロン)は筋肉の増大や闘争本能促進、体毛増加など男性的な心身部分に作用するホルモンで誰でも分泌しているものです。これが減少すると、体力・精力の衰えを招きます。
男が男らしくあるために不可欠なホルモンであり、活力の源でもあるため、テストステロン自体が悪いわけではありません。
問題なのは、このテストステロンに5αリダクターゼ(Ⅱ型)という還元酵素が結合するとDHT(ジヒドロテストステロン)が生成されてしまうということ。
そして、これこそがAGAの原因といわれています。
額の生え際や頭頂部にはアンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)というものがあり、ここにDHTが取り込まれることで、脱毛因子(TGF-β)が増加します。
この脱毛因子(TGF-β)が毛乳頭や毛母細胞の活動を妨げてしまい、結果として髪の毛が正常に育つことなく抜けてしまうということになります。
TGF-βの働きによって、抜け毛が進行するばかりかヘアサイクル(毛周期)が乱れてしまいます。
AGAのしくみのまとめ
AGAの原因は”5αリダクターゼ”という酵素。
テストステロンと結合するとDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、”IGF-β”(脱毛因子)が増加する。
このはたらきにより、抜け毛が増え、ヘアサイクルが乱れる。
AGAの原因の根本が”5αリダクターゼ”という酵素ならば、この発生を抑えることができたら対策になるのではないでしょうか?
この観点から選び抜いた育毛剤ランキングもチェックしてみてください。
遺伝
薄毛は遺伝によるものだから仕方ないとあきらめている方も多いんじゃないですかね。
たしかに、AGAは遺伝に寄るところが大きいのかもしれません。
なぜならAGAの原因となるアンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)の感受性が遺伝によって引き継がれやすいということが分っているからです。
そして男性ホルモン受容体は隔世遺伝することも分っていますので、たとえ両親が薄毛でなくても、祖父母以前の人たちが薄毛だったとしたら、この感受性を受け継いでいる可能性があるといえます。
しかも母方の家系から遺伝することが多いとされていますので、母方のご先祖に薄毛の方が多いのならば要注意かもしれませんね。
血行不良
毛根は頭皮を流れる血液からタンパク質や酸素を補給し、それにより毛母細胞の分裂を促すことで健康な毛髪が育っていきます。
だから、頭皮への血行が悪くなると成長に必要な栄養が毛根に運ばれなくなってしまい、結果として脱毛してしまうわけです。
栄養不足・睡眠不足
栄養不足や睡眠不足も薄毛の原因となります。
健康な髪の毛の成長にはタンパク質やミネラル(とくに亜鉛)などの栄養分が必要です。
もちろん、偏った食生活は髪の毛だけではなく肌や健康のためにもよくないので、普段からバランス良く栄養素を摂取できるような食事を心がけましょう。
睡眠不足も薄毛の大きな原因です。
髪の毛の成長に必要な成長ホルモンは睡眠時に多く分泌されますので、睡眠が大事なんですね。
また成長ホルモンのはたらきを助ける睡眠ホルモン(メラトニン)は深夜1時から3時頃、しかも入眠後3時間程経ってからがもっとも多く分泌されます。
なので逆算すると理想的な睡眠時間は夜10時頃から朝6時頃までということになりますね。
もちろん簡単なことではありませんが、意識だけはしておきたいところです。
頭皮の汚れ
フケや皮脂などの頭皮の汚れも薄毛の原因となります。
これらは毛孔にたまりやすいんですね。
皮脂は細菌の大好物ですし、紫外線などの影響で酸化してしまうと毛根部で炎症を引き起こしてしまう可能性もあります。
こうした炎症がひどくなると毛母細胞を死滅させ、脱毛の原因となってしまいます。
対策としてはしっかりシャンプーして頭皮の汚れを取り除くことが大切です。
ストレス
過度なストレスも薄毛の原因となります。
ストレス社会ともいわれる現代、日常生活の中ではどうしてもストレスを感じることがあります。
ストレスをため込むと自律神経が不安定となり、血行が悪くなってしまうんですね。
さらに男性の場合は皮脂の分泌量が増えるということも分っていますので、頭皮環境が悪化するおそれもあるんです。
できるだけストレスをため込みすぎないように趣味に没頭するなどして、上手に発散させていきましょう。
薄毛の原因まとめ
男性ならほとんどの人が悩むであろう薄毛との戦い。
今回はその原因を探り、解説してきました。
薄毛の原因
AGA(男性型脱毛症)と遺伝的要素
血行不良
栄養不足・睡眠不足
頭皮の汚れ
過度なストレス
もっとも多いのはAGA(男性型脱毛症)だと思いますが、日常の生活習慣を意識的に変えることでも薄毛への対策になります。
バランスのよい食事を心がけ、規則正しくよく眠り、適度な運動などでストレスを発散、もちろん日々のシャンプーは欠かさずに清潔な頭皮環境を保つ。
シンプルですが、なかなかできていないことも多いのではないでしょうか?
あ、もちろん喫煙なんか絶対にダメですよ。
生活習慣の改善だけではどうにもならない場合など本気でAGAに悩むのであればやはり専門クリニックに相談するのがいいでしょう。