薄毛対策というと、まず思いつくのが育毛剤や発毛剤ですよね。
でもそれと同時に日頃の食生活を見直すことも大切なんです。
食べないときもあるし…
ちゃんと食べないとダメだよ!
今回は簡単に始められる薄毛対策として食生活の見直しについて解説していきたいと思います。
薄毛対策に効果のある栄養素は何?
何を食べたらいいのか?
食べるのを避けたいものは?
髪の毛の成長にも栄養が不可欠
人は日頃の食事から栄養素を取り入れてエネルギーに変換することで生命活動を維持しています。
健康な体をつくり維持するのに栄養が必要なように髪の毛の成長にも栄養が必要なんです。
ところが、他の器官と比べると生命維持の観点からいうと優先順位が低いので、栄養素がまわってくる順番が一番最後になるともいわれています。
だからこそ、十分な栄養補給が欠かせないんですね。
せっかく取り入れた栄養素も足りなくなると、髪の毛の成長につながらないということです。
十分な栄養補給がなされると、血液を通って栄養分が届けられ、毛母細胞が分裂を繰り返すことで髪の毛が成長していくんです。
それでは髪の毛の成長に必要な栄養素をご紹介していきます。
髪の毛に必要な栄養素とは
さっそくいきましょう。
健康な髪の毛をつくり、薄毛の改善の効果が期待できる栄養素はこれ!
薄毛改善が期待できる栄養素
1.タンパク質(とくにシスチン)
2.ミネラル(とくに亜鉛とヨウ素)
3.ビタミン(とくにB2、B6、ビオチン、B12)
タンパク質
髪の毛を構成する主成分はケラチンというタンパク質で、約85%もの割合を占めています。
ちなみに残りは水分や脂質で構成されています。髪の毛のほかに爪や皮膚にも使われます。
ケラチンはシスチンやグルタミン酸など18種類ものアミノ酸が結合してつくられています。
そのなかでもとくに重要なのがシスチンで約15~18%もの割合を占めます。
シスチンはメチオニンというアミノ酸から合成されますが、メチオニンは体内で合成されない必須アミノ酸のひとつですので、積極的に食事から体内に取り入れる必要があります。
そして、このシスチンをケラチンに合成する際にはたらくのが次に紹介する「亜鉛」です。
栄養素 | 多く含む食べ物 |
システイン | 牛肉、豚肉、鶏肉、卵など 大豆、納豆など大豆製品、乳製品 |
メチオニン | 牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類 カツオ、まぐろなどの魚類 豆腐、納豆などの大豆製品、乳製品 |
ミネラル
5大栄養素の一つであるミネラルには、筋肉や骨格を形成したり、細胞や臓器のはたらきを支える役割があります。
ヒトの身体に必要なミネラルは全16種類で、これらは「必須ミネラル」と呼ばれます。このうち不足しがちなミネラルにはカルシウム・鉄・カリウム・亜鉛などがあり、毎日の食事から意識的に摂取することが大切です。
亜鉛
ミネラルのなかでも、とくに髪の毛の成長に必要なのが「亜鉛」です。
前の項でも触れたとおり、亜鉛にはケラチンを合成するはたらきがあります。
「いくら材料があってもそれを作るための職人がなければ意味が無い」ということですね。
また、AGAの原因となる5αリダクターゼの発生を抑制する作用もあります。
薄毛に悩む僕たちにとってはとても重要な栄養素なんです。
栄養素 | 多く含む食べ物 |
亜鉛 | 牡蠣、豚レバー、牛肉(赤身)など |
亜鉛が多く含まれている食べ物は圧倒的に牡蠣!
ヨウ素(ヨード)
ヨウ素(ヨード)は海藻類に多く含まれているミネラルで、甲状腺ホルモンの原料となります。
甲状腺ホルモンは新陳代謝を高める働きがあり、毛母細胞の分裂を促し、育毛の促進につながります。
「海藻が髪の毛に良い」といわれるのは、これが所以とされています。
栄養素 | 多く含む食べ物 |
ヨウ素(ヨウド) | 昆布、ワカメ、海苔などの海藻類 |
ビタミン
ビタミンは「糖質」「脂質」「タンパク質」の三大栄養素の代謝を助ける働きをしており、いわば「潤滑油」のような存在です。身体の機能を正常に維持する役割を持っています。
ビタミンは13種類あるのですが、ここではとくに育毛に効果があるとされているものをご紹介していきます。
ビタミンB群
ビタミンB群は8種類ありますが、そのなかでも髪の毛の生成・成長に大きく影響するものがビタミンB2、B6、B7(ビオチン)、B12です。
とくにビタミンB6は摂取したタンパク質の吸収を促し、アミノ酸の代謝を高めるはたらきがあります。
皮膚や髪の毛の成長には不可欠な栄養素なんです。
他にもビタミンB2、B7(ビオチン)、B12も新陳代謝を高めてくれる栄養素です。育毛にも効果があるとされています。
栄養素 | 多く含む食べ物 |
ビタミンB2 | 豚レバー、うなぎ、ぶりなど |
ビタミンB6 | カツオ、まぐろ(赤身)、鮭、鶏のささみなど |
ビタミンB7(ビオチン) | まいたけ・落花生・アーモンドなど豆類、卵黄、レバー |
ビタミンB12 | しじみ・あさりなどの貝類、海苔などの海藻類 |
ビタミンB群は、体内に蓄積させられないビタミンになります。
そのため毎日摂取する必要があり、またビタミンB群は互いに助け合うことで機能するのでバランス良く摂るのが望ましいです。
ビタミンC
ビタミンCは皮膚や血管を丈夫にするために不可欠なコラーゲンを生成するはたらきをがあります。
また、鉄分の吸収を高める効果もあります。
コラーゲンは美容関係の商品に配合されていることも多いので有名な成分ですよね。
育毛だけではなくキレイな肌のためにも必要不可欠なビタミンです。
また、ストレスへの抵抗力を高める効果もあるといわれています。
精神的、肉体的ストレスも育毛のためには少ない方がいいですよね。
さらに、タバコ(ニコチン)を吸うとビタミンCは大量に消費されてしまうそうなので、喫煙は控えましょう。
どうしてもやめられない人はタバコを吸う人は特に積極的に摂取するようにしましょう。
栄養素 | 多く含む食べ物 |
ビタミンC | キウイ、レモンなどの柑橘類 ピーマン、ブロッコリーなどの野菜類 |
絶対にやめた方がいいと思うよ!
ビタミンE(α-トコフェロール)
ビタミンEには毛細血管の血行をよくする働きがあります。
また抗酸化作用を高め、アンチエイジングにも効果があります。
髪の毛の成長には、血行の促進が不可欠ですので育毛には欠かせない栄養素であるといえますね。
栄養素 | 多く含む食べ物 |
ビタミンE(α-トコフェロール) | アーモンド、落花生などのナッツ類 ひまわり油、オリーブ油などの植物油 うなぎ、たらこ、めかじきなど |
イソフラボン
大豆に多く含まれるイソフラボンには活性酸素の発生を抑制する作用があります。
活性酸素が増えると細胞がダメージを受けてしまい老化の原因となります。
大豆イソフラボンはその構造的に女性ホルモンと似ていることから「植物性エストロゲン」とよばれたりもします。
また、AGAの原因となる5αリダクターゼの阻害効果も期待されています。
薄毛対策には欠かせない成分といえますね。
栄養素 | 多く含む食べ物 |
イソフラボン | 大豆、豆腐、納豆、味噌などの豆製品 |
カプサイシン
血行を改善し、血流をよくするという点ではカプサイシンも挙げられます。
カプサイシンは末梢血管の血流を改善するはたらきがあり、頭皮の毛細血管にも栄養が届けられやすくなります。
知っている人も多いと思いますが、唐辛子に多く含まれる辛み成分です。
あまり食べ過ぎると汗がとまらなくなったり、下痢を引き起こしたりしますので注意しましょう。
栄養素 | 多く含む食べ物 |
カプサイシン | 唐辛子 |
ポリフェノール
意外かもしれませんが、ポリフェノールも薄毛対策に役立ちます。
ポリフェノールはほとんどの植物に存在する色素や苦み成分で数千種類もあるとされていますが、それぞれに効果も異なります。
ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぎ、血管を強くします。
アンソシアニンやカテキン、カカオポリフェノールなどが有名でしょうか。
とくにカカオポリフェノールは血管を広げる作用や美肌効果もありますし、そばに含まれるルチンにも毛細血管を強くする作用がありますのでおすすめです。
ポリフェノール | 多く含む食べ物 |
アンソシアニン | 赤ワイン、ブルーベリー、ぶどうなど |
カテキン | 緑茶、紅茶 |
カカオポリフェノール | ココア、チョコレート |
ルチン | そば、柑橘類、たまねぎ |
EPA
イワシなどの青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は、体内ではほとんど作ることが出来ない必須脂肪酸の一種です。
DHA(ドコサヘキサエン酸)との総称でオメガ3脂肪酸ともいわれていますので知っている人も多いと思います。
このEPA(ならびにDHA)には血液中の悪玉コレステロールを低下させるはたらきがあり、血液がさらさらになります。
つまり、血行の促進につながるわけですね。
栄養素 | 多く含む食べ物 |
EPA | イワシ、サバ、にしんなどの青魚 |
避けた方がいい食べ物と食習慣
今度は逆に髪の毛の成長にはあまりよくない食べ物と食習慣をご紹介していきます。
髪の毛だけではなく、体全体の健康としてもよくはないので、もしも次に挙げる食生活が多いようならば、改善したほうがいいと思いますよ。
高カロリー・高脂質な食べもの
ファストフードやコンビニ弁当、丼ものやラーメンなどついつい時間がなくて食べてしまうもの。
しかも濃い目の味付けのものはやっぱり美味しく感じてしまいますよね。
そういったものに限って、だいたいは高カロリーかつ高脂質なものばかり。
でも、本気で髪の毛のことを考えるなら、できる限り避けてほしいところ。
高カロリー・高脂質な食べ物
・皮脂の分泌量が増えてベタつく
・頭皮環境が悪化する
・血流が悪化し、ヘアサイクルが乱れる
健康な頭皮と髪の毛を守るためにも、できるだけこのような食事を避け、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
過度なアルコール摂取
お酒の飲み過ぎも髪の毛や頭皮環境にはよくありません。
たしかに、適度なアルコール摂取は血行がよくなるというメリットもありますが、飲み過ぎはダメです。
理由としては、アルコールは体内で分解されるのですが、その分解のためにもアミノ酸やビタミンを大量に必要とするからです。
そうすると髪の毛や頭皮へと送られるはずだった栄養分が少なくなってしまうんですね。
また、酔いつぶれてそのまま寝てしまったりすると頭皮の汚れは残ったままなので、細菌の温床になります。
そんなことが繰り返されてしまえば、頭皮環境(肌も)は悪化する一方。
同僚や友人とお酒を飲みながら食事することでストレス解消にもつながりますし、良好なコミュニケーションの構築にもなります。
缶ビール1缶(350㎖)、日本酒なら1合くらいが適量だと思いますよ。
お酒を飲むなとは言いませんが、ほどほどにしましょう。
就寝直前の食事
就寝直前の食事も控えた方がいいですね。
食べ物が胃で消化されるまでにかかる時間は3時間ほどといわれています。
一方、睡眠時には成長ホルモンが分泌されて髪の毛が成長します。
できればこの睡眠時の成長を効率的に行いたいですよね。
そのためには質のよい睡眠が不可欠。
就寝直前の食事は胃や超の動きを活発にさせ、成長ホルモンの分泌の妨げとなってしまうのです。
仕事で不規則な生活を送っている人も多いとは思いますが、なるべくなら就寝3時間前までには夕食を済ませるように心がけましょう。
極端なダイエット
それから、極端な食事制限などを行うダイエットなどもやめましょう。
食事の量が減るということは摂取できる栄養素も減ってしまうということ。
今回の記事でお伝えしているように、髪の毛の成長にも栄養分が必要不可欠なのです。
とくに髪の毛への栄養分は完全に後回しになるので、十分な栄養が届かなくなってしまいます。
ダイエットもいいですが、食事制限は軽めにし、筋トレをして基礎代謝を上げつつ、健康にすこしずつ体重を減らしていきましょう。
急激なダイエットはリバウンドを生むだけですよ。
まずは食生活を見直そう!
さて、いろいろと書いてきましたがまとめておきましょう。
髪の毛の成長にも栄養が不可欠
髪の毛の主成分はケラチンというタンパク質
その原料となるのがシスチン
ケラチンを合成するはたらきをするのが亜鉛
栄養を届けやすくするためにも血行促進が重要なカギ
大事なのは日頃の食事をバランス良くすること。
体全体の健康のためでもありますし、もちろん薄毛対策にもなります。
どうしても不足してしまいがちな栄養素(亜鉛など)が心配なようでしたらサプリメントで補うという方法もありますよ。