AGA治療薬として有名なものにミノキシジルと並んでよく耳にするのがプロペシアやフィナステリド。
言葉として聞いたことがあってもどんな効果があるのかを知らない方もいるのでないでしょうか？
フィナステリドやプロペシアは世界中に認められたAGA治療薬です。
AGAに悩む全ての男の救世主ともいえる魔法の薬。
今回はそんなプロペシアとフィナステリドの違いを明確にした上で、効果や副作用についてお伝えしていきたいと思います。
フィナステリドとプロペシアの違い
フィナステリドとプロペシア、違いはあるのでしょうか？
結論からいってしまうとほぼ同じものであるといえます。
誤解を招かないようにそれぞれ解説していきたいと思います。
フィナステリドとは
フィナステリドというのはアメリカで開発されたAGA治療薬の成分の名前です。あくまでも成分の名前なので商品名とは異なります。
ノコギリヤシという植物から抽出された成分で、前立腺肥大症の治療薬として開発された経緯があります。ノコギリヤシというと、育毛剤などに含まれている成分としてもよく見かけますよね。
このフィナステリドを主成分にしたAGA治療薬の商品名が「プロペシア」なんですね。
ミノキシジルという成分を含んだ商品が「大正製薬/リアップ」であるのと同じことです。
プロペシアとは
プロペシアというのはアメリカのメルク社が開発・発売した商品名になります。
もともとは前立腺肥大症の治療薬として開発され、フィナステリドを含む商品として1992年にアメリカで『プロスカー』という商品名で発売されました。
その後の研究過程においてAGA（男性型脱毛症）の改善治療に非常に有用な効果があることが認められ、用量を最適化し1997年にアメリカのFDA（アメリカ食品医薬品局）によって認可されて発売されたのが世界初のAGA治療薬「プロペシア」です。日本では2005年に厚生労働省に認可され、発売されました。
プロペシアの配合量は0.2㎎タイプと1㎎タイプの2つがあります。
2015年にはプロペシアの特許期限が切れたことで、各製薬会社からフィナステリドを主成分とした商品が発売されるようになりました。後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品です。これらの商品は先発医薬品である「ペロペシア」と区別する意味合いで「フィナステリド錠」と呼ばれたりしています。
あまりにも「プロペシア」世界中で有名になりすぎていてフィナステリド剤の代名詞のようになってしまっているんですよね。このあたりが紛らわしい理由のひとつになっています。
ジェネリック医薬品であるフィナステリド錠もほぼ同様の用量・製法で作られているため、中身はほぼ同じと考えていいと思います。あとは先行医薬品としてのブランド力というか信頼性をどう評価するのかという点だけだと思います。
ちなみにジェネリック医薬品の方が価格が全体的に安く設定されています。
| 価格相場 | |
| プロペシア | 8,000～10,000円程度 |
| ジェネリック医薬品（フィナステリド錠） | 3,000～6,000円程度 |
フィナステリド（プロペシア）の効果
それではフィナステリド（プロペシア）の効果についてお伝えしていきましょう。
AGA（男性型脱毛症）の原因
その効果を解説する前にAGA（男性型脱毛症）の原因をおさらいしておく必要がありますね。
AGAの最大の原因は、男性ホルモン（テストステロン）に5αリダクターゼという酵素が結びつくことがきっかけとなります。
5αリダクターゼとテストステロンが結合すると、より強力な作用をもつ悪玉男性ホルモンであるDHT（ジヒドロテストステロン）が生成されます。
さらに前頭部や頭頂部に多く存在する男性ホルモン受容体（アンドロゲンレセプター）がDHTを取り込むことで、IGF-βという脱毛因子が毛母細胞に脱毛指令をだし、髪の毛の成長を強制的に終了させてしまうんです。
それならば、原因の根本である5αリダクターゼが機能しないように防ぐことができたらAGAを改善できるのでは？
AGA治療薬であるフィナステリド（プロペシア））はこの5αリダクターゼを阻害し、DHTの生成を抑制することで抜け毛を防ぎ、ヘアサイクルを正常に戻すことで新しい毛を発現させることを目的としています。
フィナステリド（プロペシア）の効果
フィナステリド（プロペシア）にはAGA発症のきっかけとなる5αリダクターゼ（Ⅱ型）を阻害する働きがあります。
これによってDHT（ジヒドロテストステロン）の生成を抑制することになるのでIGF-β（脱毛因子）も作られなくなります。
つまり、フィナステリド（プロペシア）は抜け毛を根本理由から防ぐという「守りの薬」なのです。
フィナステリドの内服は日本皮膚科学会のガイドラインにおいて推奨度Aとされています。
また、このガイドラインによれば、フィナステリドの効果として次のような国内における臨床結果が得られたとしている。
フィナステリドを、1㎎/1日あたり服用した場合に軽度以上の改善が見られた人数を数値化したものです。
| 服用年数 | 改善した | 現状維持（変化なし） |
| 1年間 | 58％ | 40％ |
| 2年間 | 68％ | 31％ |
| 3年間 | 78％ | 21％ |
この結果から読みとれることとしては、3年間の長期服用をした結果、軽度以上の改善が認められた（＝言い換えれば髪の毛が生えた）のは約80％にものぼるということです。
この期間に関してはヘアサイクルの長さに関係しています。やはり根気強く続けることに意味があるわけですよ。
使用方法
フィナステリド（プロペシア）は錠剤状になっていて経口摂取する内服薬です。
1日1回、毎日決まった時間に水などで服用するのがおすすめです。
フィナステリド（プロペシア）は血中濃度を一定に保つことで最良の効果が得られるようになっています。ちなみに効果が消滅するまでの時間は24時間程度となっています。
この理由から、毎日決まった時間に服用するようにした方がいいというわけですね。
フィナステリド（プロペシア）にも種類がある？
フィナステリド（プロペシア）にも種類があり、フィナステリドの含有量が変わってきます。
もちろん含有量によって効果の差がありますが、これはAGA症状の進度によってどれを使うのが最適なのかが決まってきます。クリニックで医師の診断を受けてから処方してもらうようにしてくださいね。
効果が高いということはそれだけ副作用も強いということですので、ご注意ください。
一般的にプロペシアというと配合量1.0㎎のものを指すことが多いと思いますが、じつは配合量0.2㎎タイプのものもあります。
| フィナステリド配合量 | 目的と効果 | |
| プロペシア（フィナステリド錠） | 0.2㎎ | AGA治療：効き目は穏やか副作用も低め |
| 1.0㎎ | AGA治療：効き目が強めで副作用も強め | |
| プロスカー | 5.0㎎ | 前立腺肥大症の治療に用いる |
5.0㎎を配合しているのは「プロスカー」という前立腺肥大症の治療に用いられる薬でAGA治療用ではありません。別の薬です。今回は参考までに表に載せさせていただきました。
プロペシア（フィナステリド錠）に関しては、0.2㎎タイプと1.0㎎タイプの2種類のみです。
さきに挙げた日本皮膚科学会のガイドラインによる国内の臨床試験結果においては0.2㎎タイプと1.0㎎タイプでは「改善が見られた」のがそれぞれ54％、58％とわずかに4％の差にとどまっています。また副作用についても大きな違いはなかったとされています。
つまり、「ものすごく大きな差はない」ということになります。
それでも効き目や副作用による差がないとはいえませんので自分の症状の進度に合わせて選ぶのが賢明だと思います。
0.2㎎錠タイプは、AGAの進行がそこまで深刻ではなく副作用をできるだけ抑えたい方に向いています。
1.0㎎錠タイプは、AGAの進行がすでに進行していてできるだけ早く改善したい方に向いています。
いずれにしても自分の症状の状態や健康状態に不安がある方も含めて医師の診断を受けるようにしてください。
フィナステリド（プロペシア）の副作用
どんなものがあるの？
もちろんフィナステリド（プロペシア）にも副作用があります。
気になる副作用とはどんなものがあるのか、その発現率や危険性などについて見ていきましょう。
以下のような副作用があることが報告されています。
フィナステリド（プロペシア）の副作用
・初期脱毛
・性欲減退
・勃起不全（ED）
・射精障害
・精子量の減少・精子の質低下（男性不妊症の原因になる）
・肝機能障害
など
わたしたち男性にとってはなんとも無視できない副作用ですよね。
だけど、そんなに不安にならないでください。
これらの発現率は極めて低く、1％程度とされています。
しかも服用を中止すれば副作用も治まりますので、さほど心配しなくてもいいのではないでしょうか？
肝機能障害に関しては少し気になるところではありますが、肝臓に持病があったり健康上の不安がある方は注意が必要かもしれません。このあたりも含めて、必ず医師の診断を受けるようにしてください。
フィナステリド（プロペシア）の注意点：禁忌薬はある？
フィナステリド錠（プロペシア）に併用禁忌薬に指定されている医薬品はありません。
ただし、基本的には内服薬であればどのお薬も少なからず胃腸や肝臓に負担がかかります。風邪薬なども同様です。そのような薬を服用する際には一時的にフィナステリド（プロペシア）の服用を中止するなどした方がいいかもしれません。
このあたりから考えてもフィナステリド錠（プロペシア）は安全なAGA治療薬といえます。
フィナステリド錠（プロペシア）は非常に安全な薬であるといえますが、下記のような注意点があります。
1. 女性である：妊娠中または妊娠する可能性がある方・授乳中の方
2. 未成年（20歳未満）である
女性へのプロペシアの有用性は認められていませんし、安全性に不安があるため使用が禁止されています。とくに妊娠中や妊娠の予定がある女性、授乳中の女性は注意が必要で、胎児の生殖器の成長・発達に影響を及ぼすおそれがあります。薬に触ることすら禁止されていますのでこの点は注意が必要です。
同様に未成年者（20歳未満）の男性も生殖器の成長・発達に影響を及ぼすおそれがあります。薬に触ることすら禁止されています。
ご家族と同居されている方は、服用者以外が手を触れられないように保管管理を徹底しましょう。
まとめ
見てきたようにフィナステリド錠（プロペシア）はAGA（男性型脱毛症）に絶大な効果を発揮してくれます。
・いろんな育毛剤を試してみても効果が感じられなかったあなた
・もう無理だと思っているあなた
「諦めるのやめましょう！」
大丈夫！プロペシアがある！
あなたがAGAで悩んでいるのだとしたら、ぜひ使ってみてください。
守って攻めろ！ミノキシジルとの併用がおすすめです！
フィナステリド錠（プロペシア）はAGAの根本的な元凶である5αリダクターゼの発生を阻害することでDHTの生成を抑制して抜け毛を防ぐというものになります。いわば「守りの薬」です。
本気でAGAと闘うならば、血管拡張による血流改善と毛母細胞活性化の作用による発毛促進効果のある「攻めの薬」であるミノキシジルとの併用を強くおすすめします。
「しっかり守りを固めたうえで、じっくり攻める」
戦の鉄則がここにあります。
どれだ積極的に攻めたてたとしても守りがおろそかになってしまっては、最終的には負けてしまいますから。
闘う決心がついたなら、AGA専門クリニックに相談してみましょう。
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