薄毛やAGAに悩む人なら「5αリダクターゼ」という言葉を聞いたことがあると思います。
もう少し詳しく教えて!
AGA(男性型脱毛症)の原因としてDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンの生成があげられることはこれまでの記事でお伝えしてきました。
さらにこのDHTの生成には5αリダクターゼという酵素が大きく関わっています。
今回は「5αリダクターゼ」についてさらに詳しく解説していきたいと思います。
5αリダクターゼとは?
5αリダクターゼというのは体内に存在する還元酵素のひとつです。
5αリダクターゼはテストステロンと結合してDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンを生成します。
そもそもDHTは骨や筋肉を作ったり、精子の生成・性欲上昇といった男性の体にとって大切なテストステロンの働きをサポートする役割があり、体の成長(とくに幼児期~成長期)にとっては欠かせないものです。
そしてこのDHTの生成には5αリダクターゼが大きく関わっていますのでやはり成長に必要な酵素なわけです。
ですが、その働きも重要なのは幼児期~成長期までであり、成人後は性欲減退や皮脂量の分泌増加などの悪影響が増えるばかりでなく髪の毛にとっては好ましくない働きがあるため、それがAGAの大きな原因となってしまっているんですね。
なぜAGAの原因となるのか?
では5αリダクターゼがなぜAGAの原因となるのか?
それを説明するためにはAGAのメカニズム、ヘアサイクルについて触れる必要がありますね。
髪の毛の成長にはヘアサイクルという周期がありますが、この周期が乱れてしまうと抜け毛が増えて髪が薄くなっていきます。
髪の毛の成長期は、正常なヘアサイクルの場合2~6年ありますが、AGAの場合には数ヶ月から1年と短くなってしまい、成長しきる前に抜け落ちていってしまうようになるんです。
つまり、成長する前に抜けてしまうということ。
このヘアサイクルを乱してしまうものがDHT(ジヒドロテストステロン)です。
DHTが男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)に取り込まれることでTGF-βという脱毛因子が発生します。
TGF-βが脱毛指令を出すことで毛母細胞は細胞分裂を止めてしまい、髪の毛は成長する前に抜けてしまうということになります。これが続くことで新しい髪の毛が短い状態(または産毛の状態)で抜けてしまうことで薄毛(ハゲ)になっていくんです。
そして、DHTを作り出しているのが5αリダクターゼでしたよね。
だとしたら、この5αリダクターゼを阻害・抑制することができればAGAの進行を改善することができるはず!
5αリダクターゼには2種類ある
AGAの元凶である5αリダクターゼには5αリダクターゼⅠ型と5αリダクターゼⅡ型の2種類があります。
ここではその違いを解説していきますね。
【5αリダクターゼⅠ型】
5αリダクターゼⅠ型は全身の皮脂腺や体毛に分布しています。頭部でいうと側頭部や後頭部にも存在しているものになります。
特徴的なのは皮脂の分泌量が多いということ。頭皮や肌が脂っぽい(脂質肌)の人は5αリダクターゼⅠ型が多い可能性があります。皮脂が多いということは毛穴に皮脂が詰まりやすく頭皮環境が悪いともいえます。髪の毛以外ではニキビや吹き出物などの原因ともなりますね。
【5αリダクターゼⅡ型】
5αリダクターゼⅡ型は前頭部や頭頂部に多く分布しています。また、髭や脇、陰部にも多く分布しています。
特徴的なのは頭部では前に説明したとおりIGF-Bを生み出し脱毛を促進しますが、その反面で髭や脇毛といった頭部以外の体毛には発毛促進作用があるという点です。
髪の毛は薄くなってきたのに髭が濃い、脇毛や鼻毛が伸びやすいという人は5αリダクターゼⅡ型が多い可能性が高いです。
このⅡ型はⅠ型と比べてテストステロンと結びつきやすい性質も持っているためDHTを生成しやすいとされています。そのためAGAの原因となっているのはほとんどの場合、この5αリダクターゼⅡ型の影響といわれているんです。
表にまとめておきますね。
分布場所 | 特徴 | |
5αリダクターゼⅠ型 | 側頭部・後頭部を含む全身の体毛・皮脂腺 | 頭皮や肌の皮脂量が多い(脂っぽい) |
5αリダクターゼⅡ型 | 前頭部や頭頂部に多い | 髭や脇毛などが伸びやすい |
もちろん、5αリダクターゼが全ての原因とはいえません。5αリダクターゼの活性度や男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)の数は遺伝によっても決まります。ハゲは遺伝するというのはこれが理由なんです。
また、食生活や喫煙、睡眠不足などの生活習慣の乱れやストレスなどもAGAの要因となります。
まずは生活習慣を見直してみましょう。
5αリダクターゼを抑制するには?
それではAGAの最大の原因となる5αリダクターゼを抑制するためにはどんな方法があるのか?
今すぐにでも始めたい予防と対策をお伝えしていきます。
5αリダクターゼを抑制する栄養素を摂る
私たちは日頃の食事から生命活動に必要なエネルギーや栄養素を摂取することで生きています。
そしてそれは体内にある細胞の成長にも大きく影響します。
タンパク質や糖質、炭水化物といった三大栄養素はもちろんですが、ビタミンやミネラルといった栄養素も必要です。その中には5αリダクターゼを抑制する働きを持った栄養素というものがあります。
ここではいくつか代表的なものをご紹介しておきます。
亜鉛
まず欠かせないのが亜鉛!
亜鉛には5αリダクターゼを抑制する作用があるだけでなく髪の毛の主成分であるタンパク質「ケラチン」を作る上でも必要な栄養素です。そのほかにも精力増強や精子の形成など男性機能の維持向上も望めるので、男性にとっては絶対に必要な栄養素なんです。
亜鉛の1日の摂取量は成人男性で12㎎とされていますが摂取しすぎると下痢や胃腸不良などの症状が出ることもあります。ただし上限量は45㎎とされているので、通常の食事やサプリ摂取などでこの上限を超えることは少ないでしょう。
ちなみに亜鉛は体内に吸収されにくい栄養素ともいわれています。亜鉛の吸収をより効率的にしてくれるのがビタミンCやクエン酸、肉類やチーズなどの動物性タンパク質。積極的に摂取するように心がけていきましょう。
そんな亜鉛が多く含まれる食材には牡蠣、豚レバー、煮干しなどがあります。そのなかでも圧倒的に多いのは生牡蠣なんですけど毎日食べられるようなものではありませんよね。普段の食事だけでは不足しがちな亜鉛はサプリメントから摂ることもおすすめです。
→亜鉛サプリ
ノコギリヤシ(ノコギリヤシエキス)
ノコギリヤシはアメリカやメキシコなどに生息するヤシの一種で、もともとは前立腺肥大症の治療に効果があるとされて使われてきた成分です。最近では国内でもノコギリヤシを含んだサプリなんかもたくさん流通しています。
育毛剤などにも含まれているのでおなじみかもしれません。
ノコギリヤシにも5αリダクターゼの働きを抑制・阻害する働きがあります。サプリで摂取するのがおすすめですね。
イソフラボン
大豆や豆腐、豆乳などに多くし含まれるイソフラボンにも5αリダクターゼ阻害・抑制効果が期待できます。さらにIGF-1という成長ホルモン(若返りホルモンとも呼ばれる)の分泌を促進することも分かっていて髪の毛の成長だけじゃなく美肌効果も期待できます。
これらはイソフラボンに含まれるエストロゲンが女性ホルモンと似た働きを持っているためで、男性ホルモンの分泌を抑制する作用があるからです。
食事からだけだと摂取しづらいのでサプリがおすすめですよ。
生活習慣を見直す
生活習慣の乱れはせっかく摂取したこれらの栄養素の吸収を妨げたり失ったりすることにつながります。
そんなもったいないことは避けたいですよね。
次のことに注意して生活習慣を改めてみましょう。
ストレスをためない
ここでもやはりストレスは大敵なんです。
ストレスが溜まると体内にはコルチゾール(ストレスホルモン)というホルモンが分泌されるようになりますが、これによって発汗量の増加、脈拍や血圧の上昇などの様々なストレス反応が起こります。これらを行うには当然ながらエネルギーを消費するわけでそのための酸素量も必要となり、結果として活性酸素の量が増えてしまうことになります。
この活性酸素を分解するために使われてしまうのが亜鉛やビタミンC!
せっかく摂取した亜鉛やビタミンCを失わないためにもストレスをためないように心がけましょう。
ストレスを和らげるためにできることはたくさんあると思いますが…いくつか紹介しておきます。
・趣味に没頭する
・日光浴をする
・しっかり睡眠をとる
現代社会の中でストレスを感じるなという法が難しいかと思いますが、上手に付き合っていきたいものですね。
タバコを控える(ぜったいやめたほうがいい)
喫煙する習慣のある人は絶対にやめた方がいいですよ。
タバコに含まれるニコチンをはじめとした有害物質が体内に入るとその防御反応として活性酸素が大量に発生します。
もう分かりますよね?活性酸素の分解には亜鉛やビタミンCが不可欠なんですよ。
タバコを吸うと5αリダクターゼの阻害・抑制に必要な亜鉛がなくなってしまうということ!
だからタバコは絶対にやめた方がいいといっているんです。
適度な運動でデトックス効果を狙え
5αリダクターゼ阻害・抑制というよりはDHT(ジヒドロテストステロン)ですが、汗や尿によって体外に排出されます。
積極的に運動や筋トレを行い、汗をかくようにしましょう。
運動や筋トレは新陳代謝を高めデトックス効果が望めます。もちろん消費カロリー量が増えるので脂肪燃焼にもつながり太りにくい体を手に入れることができます。健康な体を手に入れることができる最高の趣味といえますし、ストレス解消にもなりますよね。
また、利尿作用を促進するという意味ではをカフェイン多く含むコーヒーや緑茶などを意識的に飲むこともおすすめです。
AGA治療薬を服用する
もっとも確実で効果が高いのはやっぱりAGA治療薬を使うことです。
AGA治療薬とは5αリダクターゼを阻害する薬として臨床試験などでも効果が認められているものなので、もっとも確実に効果が望めるわけです、
5αリダクターゼを阻害するAGA治療薬として代表的なものにはt次の2つがあります。
・プロペシア(フィナステリド)
・ザガーロ(デュタステリド)
それぞれに期待できる効果、作用する5αリダクターゼの種類が違ってきます。
プロペシア(フィナステリド)
プロペシア(フィナステリド)は5αリダクターゼⅡ型に作用します。もともとは前立腺肥大症の治療のための薬として開発された経緯がありますがのちにAGA治療薬として使われるようになりました。今では世界60ヶ国以上で使用されているAGA治療薬です。日本皮膚科学会のガイドラインにおいても推奨度Aともっとも高い評価を受けている薬になります。
副作用もありますがそのリスクは少ないとされています。AGAの症状のほとんどはこの5αリダクターゼⅡ型の働きによるものなので、まずはこのプロペシア(フィナステリド)から始めて様子を見てみることをおすすめします。とくに前頭部や頭頂部から薄くなり始めている人におすすめです。
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ザガーロ(デュタステリド)
ザガーロ(デュタステリド)は5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の両方に作用します。こちらもプロペシア(フィナステリド)と同様にもともとは前立腺肥大症の治療のための薬として開発された経緯がありますがのちにAGA治療薬として使われるようになりました。2015年に厚生労働省から認可されたばかりなので新薬ともいわれることがあります。
こちらにももちろん副作用がありますがそのリスクはプロペシアと比べて少し高くなります。同じように日本皮膚科学会のガイドラインにおいても推奨度Aともっとも高い評価を受けている薬です。
副作用を考えると無理にザガーロ(デュタステリド)を使う必要はないと思いますが、医師の診断を受けるようにしてください。
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この2つの治療薬はあくまでも5αリダクターゼを阻害することで抜け毛を防ぎ、正常なヘアサイクルに戻すことを目的としています。新しい髪の毛を生やす発毛効果は期待できません。同時にミノキシジルの内服薬または外用薬で積極的に発毛を促していきましょう。
まとめ
AGAの最大の元凶は5αリダクターゼという還元酵素でした。
5αリダクターゼとテストステロンが結びつくことでDHT(ジヒドロテストステロン)が生成され、脱毛指令が出されてしまい、ヘアサイクルを乱します。
この5αリダクターゼの働きを阻害することができればAGAの改善につながるわけです。
そのためにできることは
・5αリダクターゼ抑制に効果のある栄養素(亜鉛など)を摂る
.・ストレスをためない
・禁煙する
・運動や筋トレをする
これらは効果があるとされてはいますが科学的根拠があるわけではありません。
確実に効果があるものはAGA治療薬しかないんですよ。
まずは5αリダクターゼには種類があることを理解した上でそれぞれに対応したお薬を処方してもらうこと。
本気でAGAと闘うならまずはクリニックに相談してみましょう。
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