「肥満体型の人はEDになりやすい」って聞いたことありますか?
聞いたことはあるけど、個人差もあるしどうせデマなんでしょ?
いやいや、これがどうやら本当なんだよ!
ちゃんと理由があるんだ。
ということなので、今回は「肥満とED(勃起不全)との関係性」についてお伝えしていきたいと思います。
どこからが肥満?
現在、日本では空前の健康ブーム。
その一方で男性の約33%が肥満者であるという統計もあります。
では、どのくらいの体重があったら肥満なのか?
「肥満」というのは見た目や体重だけで決まるわけではありません。
肥満の目安として使われているのがBMIという数値になります。
BMIは肥満度を表す数値として国際的に用いられており、世界共通の指数です。
求める数式は以下のとおり
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
たとえば、身長173cm体重65kgの僕の場合は次のような計算となり
体重(65kg)÷身長(1.73m)÷身長(1.73m)=BMI(21.7)
BMI値は21.7だと分かります。
さてあなたの数値はいくつでしたか?
日本肥満学会によるとBMIの値によって肥満度を分類しています。
【肥満度の分類】
BMI値 | 判定 |
18.5未満 | 低体重 |
18.5以上 25.0未満 | 普通体重 |
25.0以上 30.0未満 | 肥満(1度) |
30.0以上 35.0未満 | 肥満(2度) |
360.以上 40.0未満 | 肥満(3度) |
40.0以上 | 肥満(4度) |
BMI値22.0が標準体重とされ、もっとも健康で病気にかかりにくいとされています。
25.0を越えると肥満と判断されるようになり、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高くなります。
肥満症の人はEDになりやすい
では肥満の人がEDになりやすいというのはどういう理由からなのか?
その答えは大きく分けて2つあります。
テストステロン(男性ホルモン)の分泌が減る
肥満によってテストステロン(男性ホルモン)の分泌が低下するといわれています。
もういうまでもないですが、テストステロン不足は精力減退や勃起力低下につながり、EDの原因となります。
さらに肥満になるとアディポネクチンという脂肪燃焼を促すはたらきのあるホルモンの分泌も増えることで悪循環に陥ってしまいます。
血管・血流への悪影響が増える
もうひとつは、肥満になると糖尿病などの生活習慣病になりやすいということです。
糖尿病のリスク
食事によって摂取されたブドウ糖は血液にのって全身にめぐっていて、その多くは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンのはたらきによって肝臓や筋肉、皮下脂肪などに取り込まれることで吸収されます。だから血液中のブドウ糖は一定に保たれているわけです。
肥満状態になると脂肪組織から悪玉物質が分泌さるれるようになることで、インスリンのはたらきがうまくいかなくなってしまいます。
結果として、ブドウ糖が肝臓や筋肉にうまく吸収できずにブドウ糖が血液中に増えてしまうんですね。
この血糖値が高い状態を「糖尿病」といいます。
この状態が長い間続くと血管を傷つけてしまうこともありますし、動脈硬化や心筋梗塞などの重篤な病気につながるリスクが高まります。
脂質異常症のリスク
血液中の脂質濃度が基準範囲内ではない状態を脂質異常症といいます。
脂質にはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、中性脂肪の3つがありますが、これらのバランスが崩れることで様々な悪影響を及ぼします
とくに過剰なLDLコレステロール(悪玉コレステロール)は血管に侵入してプラークとよばれる隆起物を生成し、血管を狭くしてしまい、結果として血圧も上がります。
血圧が上がると血管に強い圧力がかかるようになるため、血管は柔軟性を失い硬くなり、動脈硬化を引きおこすリスクが高まります。
一般的に肥満症の原因は脂質の取り過ぎによる余分な脂肪の蓄積にありますので、まずは食生活を見直すべきです。
動脈硬化のリスク
前述の糖尿病や脂質異常症(高脂血症)が悪化すると動脈硬化を発症するリスクが高まります。
本来、血管は柔軟性があり状況に応じて拡張・収縮をすることで血流や血圧の変化に対応できるように働いています。
血管の老化やその他の危険因子により血管が厚く硬くなってしまうことが動脈硬化という病気になります。
そそでいう危険因子というのは高血圧やコレステロール、喫煙などであり、肥満も含まれます。
血管を構成する血管内皮細胞が傷つき、そこにLDL(悪玉コレステロール)が侵入して血管が狭くなるんですね。
また、LDL(悪玉コレステロール)が沈着することで血流がドロドロした状態となり血流が悪化します。
さらに症状が悪化すると心筋梗塞や狭心症にもつながる恐ろしい病気ですのでそうなる前に対策しましょう。
対策としてはやっぱりダイエットしかない!
肥満症の多くは適切なダイエットによって改善することができます。
標準体重(BMI値20.0~23.0)に近づけることでEDになるリスクを下げることができるというわけですね。
それでは、効果的なダイエット法をご紹介してきましょう。
筋トレ
ダイエットといっても女性が行っているような極端な食事制限などはおすすめできません。
食事制限によるダイエットでは本来必要な栄養素が不足してしまう可能性もあります。
おすすめはやはり筋トレです。
筋トレをするとテストステロンの分泌量が増えます。
筋肉量が増えれば基礎代謝が高まり、脂肪がつきにくい身体になりますので結果的に体脂肪が減り、ダイエットになります。
筋トレにもいろいろありますが、とくにおすすめなのは次の2つ。
ジョギング
ウォーキングやジョギングは誰にでも簡単に始められる筋トレです。
簡単ではありますが、実は足腰だけじゃなく心肺機能を効率的に鍛えることができます。
全身の血行がよくなり、健康な状態に近づくことができますよ。
タイミングはいつでもいいのですが、できれば朝や日中が望ましいです。
屋外で走る(歩く)ことで日光を浴びることになるのでセロトニン(幸せホルモン)の分泌も増えます。
セロトニンには、ストレスを軽減し集中力を高め、質の良い睡眠へとつながるはたらきがあります。
これらのことも含めて、ED改善に効果的であるといえます。
スクワット
スクワットで鍛えられるのは主に大腿筋(太もも)と臀部筋(お尻)です。
この2つは人間の身体の中で、いちんばん体積の大きい部分になります。
つまり、もっとも効果的に筋肉量を増やすことができるというわけです。
さらに、スクワットを行うことでPC筋(骨盤底筋)を間接的に鍛えることができます。
PC筋は力強い勃起を支えるポンプのようなはたらきをしており、勃起力維持のために重要な筋肉となります。
じゃあ、ジョギングとスクワットだけやればいいんだね!
そんなことないよ。
とくにおすすめしたいのがこの2つというだけで、ほかをやらなくてもいいというわけじゃないよ。
もちろん、腕や胸、腹筋や背中などの筋肉もバランス良く鍛えることに超したことはないです。
スクワットばかりやっていて太ももだけ太くて、上半身が貧相だとバランス悪いですよね。
できるなら全体的なトレーニングを心がけて欲しいし、最低でもこの2つは意識的に行って欲しいということです。
バランスの良い食事
極端な食事制限によるダイエットはおすすめしませんが、バランスのいい食事を心がけることは大切です。
カロリーが高く、脂質が多い食べものはできるだけ避けましょう。
カロリーの取り過ぎは体脂肪を増やすことにつながり、結果として肥満になってしまいます。
そうならないためにも基礎代謝を増やして、摂取カロリーが消費カロリーを越えないようにするべきなんです。
また脂質が多い食べものは血液中に脂質(コレステロール)が溜まりやすくなります。
血液中の脂質バランスが崩れると脂質異常症を引き起こすこととなり、血流が悪化し動脈硬化の原因となります。
→効果的なダイエット方法
まとめ:EDになりたくなければダイエットを!
今回見てきたように、肥満はEDの原因となります。
簡単にまとめると…
・肥満になるとテストステロンの分泌が減る
・肥満になると糖尿病や脂質異常症などのリスクが高まり血流が悪化する
・肥満になると動脈硬化のリスクが高まり血流が悪化する
EDの大きな原因はテストステロンの減少と血流の悪化です。
このことからも肥満はEDの原因となることが分かります。
ダイエットを行うことで
・テストステロンの分泌量を増やす
・体内の脂肪を減らして正常な数値にし、糖尿病などのリスクを避けることで血流悪化を防ぐ
ことができます。
ちなみにですが、欧米諸国では肥満体型の人は出世できないともいわれています。
これは単純に見た目というよりも「自己管理能力に欠けた人物」としてレッテルを貼られてしまうことにあります。
自分の健康管理ができない人が経営などできるはずがないという理由でしょう。
ED対策という観点だけでなく、1人の男としてカッコよく生きるためにもぜひダイエットして肥満体型から抜け出しましょう。